中庭のある家の実例集10選!
中庭のメリット、デメリット、後悔しないコツなど解説
広々とした開放感を得られる中庭のある家は、注文住宅で設計を進める際に魅力的な選択肢となります。
プライバシーを守れたり風通しが良くなったりと住みやすさが確保できる一方、いくつかのデメリットも存在するので、中庭のある家にすべきか迷う方もいるはずです。
この記事では、風景のある家が手がけた実例集10選や中庭のメリット・デメリット、後悔しないコツを詳しく解説します。
中庭のある実例集10選
ウッドデッキがある中庭
- 中庭が2つほしい
- 中庭にウッドデッキを設置し、使い勝手と開放感を考慮した設計
- 中庭を2つ配置
- 中庭を囲むように各部屋を配置
- 中庭を中心に家族のコミュニケーションが取りやすい設計
フランスをインスパイアーした中庭
- 100坪以上ある土地を有効に使っていきたい
- コンクリートと砂利で構成した管理が楽になる中庭の設計
- フランスからイメージした中庭の設計
- 近隣からプライバシーを確保した中庭の設計
- 敷地の広さを活かして表庭と中庭の二つの庭を設計
南側の隣地緑を借景した中庭
- 近隣からの視線を遮られるような作りにしたい
- 建物をコの字に配置してプライバシーを確保した配置の設計
- リビングダイニングの広がりを感じさせるために床仕上げを同じにしたテラスを設計
- 日当りを重視して中庭に向かって屋根を下げる片流れとした設計
- 木造でありながらも大開口を設けて中庭とLDKの一体感を設計
性格の異なる5つの中庭
- 異なった場所でも光を感じられるようにしたい
- 玄関入口に坪庭のような中庭を設計
- 暗くなりがちな廊下突き当りに光庭の設計
- リビングとダイニングキッチンの間に中庭を設計
- 浴室洗面の奥に洗濯物が干せるサービスコートのような中庭の設計
- LDK南側前面に高めの塀を設けて中庭のようなテラスの設計
段差のある表情豊かな中庭
- 多くの友人が集まっても皆で楽しめるようにしたい
- 隣家から見えにくいように塀と建物で囲んだ中庭の設計
- ウッドデッキとコンクリートテラスを組み合わせて色々な使い方ができるように設計
- 敢えてレベル差をつけて一組だけではなく数組の集いができ、それぞれの居場所が空間化できるように設計
家の中心に設けた中庭
- 防犯とプライバシーを考慮して外側に窓を設けたくない
- 正方形の間取りにして各部屋から眺められるように中心へ中庭を設ける設計
- 光と風は全て中庭から取り入れることができるような設計
- 外壁面には窓を設けずに防犯を考慮した設計
- 周りの家からは見えないプライバシーを確保した設計
近隣風景を遮断した中庭
- 周辺があまり良い景観ではないので見えないようにしたい
- 完全に周辺環境と切り離した家族だけの空間を設計
- 中庭を介してLDKに光を取り入れられる中庭の設計
- 玄関・LDK・洗面・廊下それぞれに面した中庭の設計
- LDK床面と中庭仕上がり面を極力近づけて繋がりを狙った設計
全面に芝生が広がる中庭
- 夢である芝生を庭全面に貼りたい
- コノ字の間取りにして全面大きなガラス窓にすることによりどこからも芝生が見えるように設計
- テラス窓はフルオープンできるように設計
- コンクリート仕上げのテラスを設けて広がりを感じさせる設計
プライバシーを確保したタイル張りの中庭
- 近隣から見られないテラスがほしい
- コの字の間取りにして近隣からは見られないような中庭の設計
- リビングと同じ床仕上げにして広がりを感じられるように設計
- テラス窓をフルオープンにできリビングと一体で使えるように設計
家の中に光と風を呼び込む中庭
- どの場所も暗くならないようにしたい
- 家の中心に光庭となる中庭を設けて家の中隅々まで光が流れるように設計
- スキップフロアーにして中庭を眺めながら登っていく設計
- 中庭で部屋を仕切る設計手法を採用
- 家の中心に中庭を設けることによって風の道を設計
中庭の形状やタイプ
中庭の形状は、家をコの字型にして完全には囲まない「コの字型」、四方から囲んで家の中央部分にスペースを作る「ロの字型」、二面の外壁のみで覆い開放感を出す「L字型」の3つに分類されます。また、円形や多角形でモダンな印象を与えるタイプや、段差により高低差をつけて立体感を出すタイプ、一つの戸建てに複数の中庭を配置するタイプなど、注文住宅では中庭のデザインを自由に決めることができます。
中庭のある家のメリット
中庭のある家のメリットとしては、プライバシーを保ちながらおしゃれで開放的な空間にできる点です。外部からの視界を遮断した上で自然光がたっぷり入るため、室内が明るく心地よい空間になるでしょう。
また、設計により風通しが良くなることも中庭のある家のメリットです。プール遊びやガーデニングスペースとしても有効活用できるので、家族のコミュニケーションを増やしたい人や家での時間を大切にしたい人にとって、中庭のある家は理想の選択肢となります。
中庭のある家のデメリット
中庭のある家のデメリットとしては、設計や建築に工夫が必要であり、敷地面積が限られている場合は居住スペースが狭くなる点が挙げられます。また、定期的な手入れが必要となることも中庭のデメリットです。形状によっては雨水がたまりやすくなったり、コストが高くなったりするケースもあるので、中庭のある家の設計段階で入念な打ち合わせを重ねておくことが大切です。
中庭のある家で後悔しないためのコツ
中庭のある家を後悔なく実現するためには、優先事項を明確にしてからデザインを考えることが重要です。例えば、「メンテナンスの容易さ」や「見た目のこだわり」などの要素を事前に決めておくと良いでしょう。具体的な対策例として、雨水が気になるなら水の逃げ道が多いL字型の採用する、雑草対策には三和土での舗装する、などそれぞれ対策法があります。また、耐久性の高い素材を選んだり、シンプルで広すぎないデザインにしたりすると工事費やメンテナンス負担削減につながるので、後悔しそうなポイントを押さえた上で中庭のある家を作りましょう。
中庭のある家の間取りを設計するポイント
では実際に、中庭のある家の間取りを設計する際のポイントをみていきましょう。
土地選び
土地選びでは、広さや日当り、近隣住宅との距離など基本的な要素だけでなく、周辺の開発環境も考慮すると良いです。例えば、マンションや商業施設の建設予定の有無などを事前に確認しましょう。中庭のある家にしたい場合、周囲の建物が日当りやプライバシーに影響を与える可能性があるの
で、周辺の開発状況や計画道路なども含めて選ぶことが大切です。
利用目的や利用シーン
家族とくつろげるスペースがほしい、BBQがしたい、自然を取り入れたいなど、利用目的や利用シーンを明確にしておくことで設計がスムーズに進みます。また、どんな時間を過ごしたいか具体的に考え理想に合わせた中庭のある家作りをすると、完成後の「こうすれば良かった」という後悔を防げます。
利用頻度
利用頻度の多さによって、適切な広さなどは大きく変わります。 例えば、頻繁に家族が集まり食事を楽しむ予定がある場合、十分な広さの確保や使いやすい動線を意識した設計が必要です。一方、使用頻度が少なくデザインとして取り入れたい場合は、居住空間の広さを優先して設計すると、デザイン性と機能性のバランスが良い中庭のある家を作れます。
コンセプト
コンセプトを決めておくことで、デザインの方向性や揃える小物が明確になります。例えば、和の雰囲気を取り入れた中庭では、石や竹、和風の植栽を使うと落ち着きのある空間を作り出せます。また、モダンな雰囲気が好きなら白を基調とした開放的な設計、静けさがほしいなら中央に木を置く設計など、コンセプトに基づいた中庭が作りやすくなります。
生活動線
中庭のある家の間取りを考える際は、生活動線を意識した住空間になるよう設計すると良いです。デザイン性のみを優先してしまうと、中庭があることで移動が大変になったり、無駄なスペースができたりする可能性があります。生活動線を考慮すれば、日々の暮らしに活用できる中庭を作れるので、実際の生活をイメージしながら効率的な動線を設計しましょう。
メンテナンス性
複雑な形状や素材を使うことで掃除が大変になったり、点検や修理に手間がかかったりします。綺麗な状態を保つためには汚れが目立ちにくい床材や人工芝を選んで、なるべくメンテナンスが簡単で手間のかからない工夫をすると良いでしょう。また、雨水の排水を考慮した設計でカビの発生を防げるので、設計時に排水経路や勾配を考慮しておくと長期間快適で清潔な中庭を維持できます。
プライバシー
中庭のある家は、設計によっては家の中が丸見えになってしまうので、プライバシーを守る対策が大切です。必要な対策は住む場所によっても異なりますが、特に住宅街に住む場合は人の往来が多いので、高さのあるフェンスや生垣を設置して外部の視線を遮ると良いでしょう。 また、隣家との距離が近い場合は、視覚的に遮るだけでなく音への配慮も必要です。遮音性のある素材を使うことで、音漏れや外部の音の侵入を抑えられるので、静かな空間を確保できます。
各部屋、室内との調和
中庭を設計する際は、家全体の雰囲気と調和させることが大切です。例えば、室内のインテリアや色調、素材感に合わせて設計すると、中庭が自然に馴染み、一体感が生まれます。調和がとれていると、各部屋から眺めた際に視覚的な美しさをもたらすので、快適で落ち着ける中庭のある家となるでしょう。
窓・軒などのデザイン
窓や軒のデザインによって、中庭の雰囲気は大きく変わります。例えば、モダンな印象にしたい場合は黒い窓枠を採用したり、ナチュラルな雰囲気を求める際はなるべく窓枠を目立たせないよう工夫したりすると良いです。また、軒のデザインによって光の入り方なども変わるので、自身や家族が快適に暮らせるよう考慮してみましょう。
採光・通風
採光に配慮した設計にすることで、室内が明るくなり、冬場も温かさを維持できます。また、通風を意識しないと風通しが悪くなって、夏場や雨季の臭い問題につながる可能性があります。快適な室内環境を維持するためにも、窓や中庭の位置の工夫は重要な要素となります。
植栽
植栽は、季節ごとの草花を楽しめるだけでなく、外部の視線を遮る役割も果たします。例えば、高木を置くことでプライバシーを守りつつ、緑のある落ち着いた空間に仕上げられます。維持管理のしやすい植物であれば手間が少なく、長期間美しい景観を保てるので、デザインとの調和を考えながら選んでみましょう。
素材
中庭の素材を選ぶ際は、見た目や機能性を両立させることが大切です。例えば、床材はすべりにくさや耐久性を重視した素材を選ぶことで、安全性が高まったり維持が楽になったりします。また、和の雰囲気には石材、北欧風にしたいならウッドデッキなど、コンセプトに合わせた素材を選ぶと理想の詰まった中庭のある家を作れます。
照明設計
夜間の安全性を確保しつつ中庭を美しく演出するためには、照明設計に工夫を凝らすと良いです。例えば、足元を照らす低めの照明を配置すると、段差が分かりやすい上に幻想的な雰囲気も演出できます。また、上方向からのスポットライトや、木々を照らす間接照明を使用すると、植物や庭全体の影を楽しむことができ、よりリラックスした雰囲気を作り出せます。中庭の夜間演出は、空間全体の魅力を引き立てるために欠かせないので、実際に複数の照明を配置して、光の加減や位置をチェックしながら選ぶと良いです。
天候への対応設計
耐久性や防水性、雨水排水の設計を考慮すると、季節の変化にも対応した使いやすい中庭を作れます。例えば、水はけのよい舗装を選ぶことで、雨季の時期でも水たまりができず快適に過ごせます。また、ロの字型は排水されにくい、L字型は排水がスムーズなど形状によって特徴が異なるので、土地の天候を考慮しながら中庭のある家を作ると良いです。
耐震性、断熱性
中庭のある家を設計する際は、耐震性と断熱性をしっかりと考慮しておくことが大切です。窓が多いと外気の影響を受けやすくなるので、快適な室内環境を保つために断熱性の高い窓にしたり、遮熱フィルムを取り入れたりすると良いでしょう。また、綺麗な四角の家に比べて耐震性は低くなるので、中庭が与える影響を確認し、耐震性能を強化しておくことがおすすめです。
安全性
安全性の高い設計をすることで、万が一の事故リスクを最小限に抑えられます。特に子供が遊ぶために中庭を設置する場合、すべりにくい素材や柔らかい芝生を選ぶと、怪我を防いで自由に走り回れる環境を作れます。また、植物や装飾品にも注意を払い、有毒な植物を避けたり角の少ない小物を置いたりすることで、安全安心な空間を作れるでしょう。
ベンチや家具などの配置
中庭にベンチや家具を配置する際は、使い勝手や見た目のバランスを考慮すると良いです。例えば、リラックスできる場所を作りたい場合は、ゆったりとしたベンチやハンモックの配置がおすすめです。家具は動線を邪魔しないように置き方を工夫すると、開放感がある広々とした中庭を維持できます。また、木材やアルミ製などの軽い素材であれば、気軽にレイアウトを変更できたり持ち運びが楽になったりするでしょう。
まとめ
中庭のある家にすることで、室内に自然光を取り入れやすくなったりプライバシーを守れたりします。素材によってはメンテナンスが大変なこともありますが、設計や素材選びの工夫により、デザイン性と快適性を備えた中庭を作れるので、理想のイメージ像を明確にしながら中庭のある家づくりをしてみましょう。
風景のある家では、自然と調和する中庭設計が叶います。家全体に自然光が入るデザインや奥行きを活かしたデザインなど、長きにわたって快適に過ごせるよう配慮した設計を提案します。中庭を含むトータル設計が可能ですので、理想をカタチにする中庭づくりや注文住宅づくりをしたい方はお気軽にお問い合わせください。
1988年8月岡山県総社市生まれ。2004年4月総社南高校入学。2007年4月岡山科学技術専門学校へ入学。卒業制作優秀賞 皆勤賞首席で卒業。2010年5月イールドインテリアプロダクツへ入社。職人として家具設計・製作、現場作業に携わり技術やデザインを学びながら住宅・店舗の設計を担当。2014年8月1日風景のある家.LLCに入社し、2025年現在、住宅・クリニック・リノベーション等≒100棟以上設計監理の実績。