わくわくするリノベーション
このリノベーションの依頼は屋敷の中の一角続き間の和室を皆が集まれる場にする。という事でした。築100年以上たつこの屋敷は構造的にも危険性が高く補強しながらのリノベーションとなりました。少々うす暗かった和室とは真逆の明るく天井も高くそして広々とした空間を提供したいと考えました。年末年始などご家族が集まるときに活用できる素敵な空間となって生まれ変わりました。「出来るのが楽しみ~。ワクワクしちゃうから長生きしなきゃ」おばあさんの言葉がとても印象的でした。
Reportわくわくするリノベーション
今年年明け地鎮祭を行った和室続き間だけのリノベーション
当時は皆足の指先が痺れるほど寒く小刻みに震えながらの祭事でした。
完成まで長いなー。結構かかりますね・・・。そんな言葉もちらほら!
そんなリノベーションも嬉しいような寂しいようなとうとうお引渡が行われました。
リノベーションは新築にはない面白さと発見があり、お客様とも打合せしながら家の歴史について共有できることが楽しい所です。
今までのつくりは決して悪いわけでは無いです。
でもより良くなってもっと永く永く使っていければリノベーションする意味合いが凄く出てきます。
初めお話を頂いた時は、天井を無くして昔の梁を見せて古民家風に・・・。と思っていました。しかし実際お部屋を見せていただいた時、瞬時に感じたのは天井上げて吹抜けにするよりも普通に天井を張った方が綺麗なプロポーションが出来るな!よし。思い切って天井を仕上げてみよう・・。そこからプロポーションを大切にスケッチを繰り返して出来たのが↓
お打合せの中「わくわくするねー。長生きしなくっちゃ!!!!!」そんな一言が設計心に火をつけてしまいました(笑)
リノベーションは解体すると予期せぬ出来事が山ほど。宝の山そのもので、図面通りにはいかないのが面白い。
しかも職人さんの経験値に頼りっぱなし!いつ倒れてもおかしくない、良く今まで持っていたなー!
今回のリノベーションを待っていたのかもしれません。。。
柱を外しては追加して出来るだけ残そうという想いも有りながらの部分補強。鉄を使ってジグザグに補強。鉄筋を引っ張って締め固める。床下はコンクリートで固めて湿気対策。
そんな時お客様からナイスなアイディアが!古い梁を撤去するのは惜ましい。。。なにかに使えないでしょうか?と。
なるほどなるほど恥ずかしながら勉強になりました。早速既存梁の寸法を測ってどの部分が使えるか!?
家具工場で張りを加工して生まれ変わり記憶を残そう。それでできたのが障子の前の飾り棚と座椅子↓
工事中は板に原寸を書いたり、変更したりと物つくりを楽しませていただいた計画でした。
工事関係者の皆様お疲れ様でした。又一緒にお仕事できることを楽しみにしています。そして設計中も工事中も信頼していただき任せていただいたお客様ご家族皆さまにはとても感謝しています。もうしばらく続くであろうこの時代背景の中、少しでも有意義な家時間過ごされること、そしてこのリノベーションが今後のお仕事の活力の一つになる事を願っています。
現場での仕事ぶりは家つくりを考えている方々の目に触れることは少ないので少しご紹介します。
今回わくわくするリノベーションでは私個人的に特別思い入れのある仕事です。
独立して間もない時にご縁があって「小さく大きな家」を担当させていただいたお客様のご実家になることから、自分で図面を書いてみたい衝動におそわれて老眼鏡をかけながら手書きで図面を仕上げました。
今の時代殆どがコンピューターで図面を書くので、数ミリ違わない完ぺきな図面に仕上がるのに、手書きとなるとなかなかアバウトになる。
一昔前手書き時代は図面を見るとその人の実力がわかる。設計者の想いが読み取れる。とよく言ったものだ。
私の実力は定かではないけど、一筆に想いは込めたつもり。。。
現場に立ち寄ると棟梁が手書きの図面へ金尺を当てて見ている風景が印象的。これまた老眼鏡をかけながら。
難しいなー・・・。と小声で微笑みながら加工に入る。
そして又図面の所に戻り金尺を当てる。本人が今ここにいるのに解らないところは聞こうともせず図面に戻る。
図面を読み取ろうとする棟梁の仕事に向かう姿勢を垣間見た瞬間でした。
それぞれの職人が、設計図という一つの共通するものを通じて一つの物つくりをしていく。
改めて設計図面の大切さを痛感した。
創っていく過程が楽しみですね。と、お客様がとても嬉しい言葉をかけてくれた。
現場では普段見る事のないこんなやり取りが行われています。
設計図を基に現場に「墨」で原寸大の詳細を描いていきます。
初めの間取り打合せは1/100スケール。
実施設計では1/50スケールや詳細図を書いても1/20スケール辺りまでです。
現場の墨は1/1スケールで描き、監督さんや棟梁、設計事務所でミリ単位を確認しながら更に良くなるように共通の認識を創り出します。
このアナログ的な打合せは、同じ予算でもより良く仕上げていくための方法の一つ。
最近ではあまり見られなくなってきた現場の光景ですが、ここでは下地床のあちこちに墨が描かれています。
1/100だから気が付くところ。1/1だからわかるところ。それぞれのスケールにすべて意味がある大切な作業となっています。
たった和室二間続きのリノベーションですが、創り手の想いが現れている素敵な現場となって進行中です。
なかなか痺れるリノベーション現場です。
築100年以上の屋敷を裸にしてみるといろいろなものが見えてきます。
良く今まで倒れずにいたなー!柱一本でこれ支えてたのか!などなど。数回の大地震に耐えてご家族を守ってきたのでしょう!
100年お疲れ様です。
ここからは私たちの出番。
壁や柱を増やせば強くなるけど使い勝手が悪くなるため大胆に撤去しながら更に強くしていきます。
鉄骨のブレースを入れてひずまない様にして、穴が開いた柱をプレートで補強。
壁をさらに強くするためにトラス組をして合板で床を固める。。。
現場では棟梁と原寸のスケッチをして寸法を割り出していく。設計図を基にしながら現場変更の嵐!
撤去した梁を加工して飾り棚を創り記憶を残す。アイディアはお客様から。
逆境をさらにより良くするためアイディアを練って、いざ明日お客様と打合せに挑む!
リノベーションは特に活きた現場という感じ。
痺れるけど楽しい。
信頼できる監督さんと信頼してくれているお客様。
それ以上の結果を出さないといけないと言い聞かせて再度完成形をイメージしよう!
新年早々リノベーションの地鎮祭が執り行われました。
寒波の朝7時
足の裏はキンキン背筋がピーン気持ちはワクワク
小さな小さなリノベーションだけど
関係者全員仕上がりが楽しみにしている。。。
皆やる気満々!
お客様の人徳によるところがおおきい。
コロナ禍だからこそ、家時間を楽しむ。
築100年の家だ頃こそ思い切って手を入れる。
そんな時を刻んできたこの屋敷の現場には
嘉美心酒造の神心を奉献酒に選んでみました。
創業100周年を迎え、今まで畏れ多くて使えないと思っていた「神」「心」を今使うとき!という気構えで醸したお酒とのこと。
さあ早速解体が楽しみ!
今日はリノベーション前の既存写真撮影
工事会社の監督さんから
今まで億物件や割烹など長年色んな現場をしてきたけど、今回は今までで一番楽しみなんです。と。
こんなこと言ったら失礼ですけどたった14坪のリノベーションだけどいいものが出来そうで楽しみましょう!お電話を頂いた。
お客様は80歳。楽しみでもっと長生きしなくっちゃネ!と。
改めて建築の力は凄いと感じています。物を作ることは人を元気付けれる。わくわくさせれる。そんな仕事を誇りに思った瞬間でした。
新プロジェクトがスタートしました。
・・・といっても、たたみ8畳+6畳の続き間と玄関の改装です。
普通なら、さら~っと流してしまう規模かもしれません・・・!がこの「わくわくするリノベーション」は違います!!!
声をかけてくれた以上ただのリフォームで終わらすわけには行けません。
昔ながらの使い勝手をご家族に合わせて変化させて、より良く快適に日々過ごせるように。そして、家に帰るのが楽しくなる。お客さんをお呼びするのが嬉しくなる。そしてそしてわくわくする元気がもっともっと出るリノベーション。
たった7坪に込められたお客様と風景のある家.LLCの想いが沢山込められているリノベーションです。
築100年(以上?)のお屋敷。
よくある南西角のつづき間。
活用されていない家が殆どではないでしょうか!?眠っている価値を呼び起こすリノベーション。
新しい家でも古い家でもご家族と共に進化することは家族の人生を豊かにしていくために必要なこと。
つづく・・・。